先日、外国人妊婦さんの会合にスピーカーとして参加して参りました。ドイツ、イギリス、オーストラリア等様々な国の方々と産後回復の重要性について意見交換を交えてお話しをさせていただきました。
まず妊娠中にいかに身体が変化するか、頑張って働いているかを再確認し、その上で、では40週の道のりの末に赤ちゃんを出産した後は?回復にどのくらいかかるのか?という問いに対し、ほぼ全ての方が2週間位??という認識でした。大切な赤ちゃんがお腹にいるまでの妊娠期が終わると、身体が軽くなりあっという間に回復したと思ってしまう、これは当然の事かもしれません。
しかし、実は少なくとも子宮が元のサイズに戻る、その他の組織や臓器が元の位置に戻る為に6・7週間が必要とされます。この身体の中で起こっている回復工程は後で自分の意志で起こす事ができませんので、どうかこの機会を逃さず、焦らず、身体を気遣った過ごし方をしていただきたいと思います。 今回のテーマである産後回復は子宮のサイズや周りの組織が元の位置に戻っていく、ほんの初期の回復の事で、多くの方が想像されるプロポーション等の回復を目指したエクササイズ等の前段階の事となります。
この会合でも質問がありましたが、決して動いてはいけないとうい事ではありません。重いものをもったり無理をしなければ血流を良くする為に動く事は推奨されませす。ただ、まだ回復の途中なのだという事を認識し、ご自身が身体の声に気が付く、ご家族に頼る、時々仰向けになって身体が元の状態に戻りやすいように休む、などの意識が大切ではないでしょうか。
又、鍼灸やアロマセラピーは、血流をよくする、組織を修復する、自律神経の安定、妊娠・出産でのエネルギー消耗から回復するといった点等でとても効果的です。産後もホルモン変化により気持ちが不安定であったり、身体の痛みが続く事も多くありますので、こういった治療も利用し、スムーズな回復、その後の子育てやご自身の健康管理に役立てていただけたらと思います。
参考資料:病気が見える(産科)/ 理論に基づくペリネのケア
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